ココロの仏像

慈悲を見るか。美を視るか。心を観るか。

1998-01-01から1年間の記事一覧

定朝への挑戦1 下「定朝および藤原彫刻史研究への契機と現在」

藤原彫刻史の研究におけるポイントは、頂点期を形成した仏師定朝の実体を明らかにすることである。それにはまず仏師の作品を探り、観察して得られる情報が基礎となる。 しかしながら定朝の確実な作品は天喜元年(1053)の平等院鳳凰堂阿弥陀如来坐像のみであ…

定朝への挑戦1 上「大仏師定朝および定朝様式とその諸問題」

日本仏像彫刻史における仏師、つまり仏像彫刻作家を考える場合、その作風の変遷が最大の関心事となる。作家の若年期、壮年期、晩年期それぞれの作品にその作風を追い、その流れのうえに彼の生きた時代の彫刻界の様相を見てとる。その上で作家の活躍期間のど…

ヒノキからカヤへ

木で仏像彫刻を造る場合、その材料とされるのは何だろうか。図鑑やガイドブックを開いてみると、多くはこうなっていると思う。まず飛鳥時代がクスノキ、奈良時代が金銅仏や塑像や乾漆像が多く木彫は多くがヒノキ、平安時代には檀木やヒノキを使っていく、と…